トイストーリー4見てきたよ 自分の中でも賛否両論 感想・ネタバレ
こんにちは、やのひろです。
ずっと楽しみにしてた「トイストーリー4」を見てきました。
見る前からある程度、覚悟はしてたのですが…自分の中でも賛否両論です(涙)
ネタバレ含む感想ですのでご注意ください。
わが道を行くボーに、ウッディは…
もう告知のイラストを見て分かると思いますが、ボーがかなりたくましくなってます。スカートはマントに!基本はパンツスタイル!腕の怪我だって自分で直しちゃうよ!
ウッディと再会したときお互いを迷子と認識し、「最高ね!」というボーに対してウッディは「ひどいな」。お互いの認識がかなり違っていることが一瞬で分かりました。
「持ち主がいるんだ」「帰らなきゃ」というウッディに、「世界はもっと広いのよ」というボー。この辺は…私はボーに共感しました。決まった世界で上手くやろうとするより、自分で世界を作っていった方が面白いもんねぇ。
ウッディはボーのことをずっと気にかけていたのもあり、最後はバズたちと別れてボーと行動を共にします。
このエンディング、良かったねと思うとこと、残念だなとおもうとこと…!ねぇ!?なんか…ねぇ!?!?笑
きっとトイストーリーファンはみんな似た気持ちだったのではないでしょうか。でもね…人生ってそういう、最高のハッピーエンドよりもちょっとほろ苦いものよね、とも思ったり。大人のトイストーリーだぜ。
ちょちょちょ、ボニー!(涙)ウッディを頼むよ!
まず残念だったのはここ。
いやいや、こんなタイトルつけといて最初に言い訳します。
わかる、わかるんだよ!?ボニーは悪い子じゃない。子供って移り気だもの。そして成長する。「3のラストであんなにウッディと仲良くなったのに」「アンディから大切にしてって言われたでしょ」「そういやドーリーとキャラかぶってるか…」などなどいろいろ思うけども。それにしても思わずにはいられない。
ボニー!ウッディを気にしてあげて!!(涙)
そしてボニー父!足元に気を付けようか!!(怒)
せめてなぁ…エンドロール中にでも、ボニーがウッディの失踪に気づいて寂しそうにしてほしかったけど…。でもそれがないからこそ、ウッディは気持ちよく旅に出れたのかもしれませんね。。
誰かにつくす幸せから、次のステージへ
いろいろと不憫だったウッディですが、その最高潮はあのシーンです。「俺にはもうこれしかないんだ!」
…ウッディ…(号泣)
分かる…見ててうすうすそうじゃないかと思ってた。
ボニーに求められないいま、持ち主のためにしてあげられることは、彼女のお気に入りを守ること…。なんて健気なんだ。。
だけど、献身的であるということは、依存的であるということでもあるんですよね。これはウッディに限らず、人間世界でも全般的に言えることだけど。
「あなたのために」って言われすぎると重たいときがあるじゃないですか。逆に「あの人のために」って思いすぎるのが辛いことも。
ウッディは「持ち主のために」という相手がいてこその幸せから、自分で自分の幸せを見つける段階に足を踏み出したのかもしれません。
でもこの作品は「子どものために」とおもうおもちゃの気持ちも否定してなくて。だからこそのギャビー・ギャビーなんだろうなと思います。子どもの成長を見守りたいというおもちゃの純粋な願いも尊重したストーリーでした。
4では寂しそうだったウッディに最高の幸あれ
ボーは腕を怪我していました。きっとお店から抜け出してサバイブしている間にいろいろとあったのでしょう。
そしてウッディは音声機を失ってしまいました。もう背中の紐を引っ張っても保安官のセリフは言えません。そしてそれだけでなく、友達や持ち主も失って…。
でも!
何かを失くしたということは、何かを得られるということです。これは人生も同じ。
新しい何かが欲しければ、今ある何かを捨てなくちゃ。
ウッディは声の出ない、これまでと違うウッディになって無限のかなたに飛び出していきました。
ボーとどんな世界を回るのかな!アメリカを出て日本に来ることもあるかもしれないね。家の中に居たのでは見られない、新しい景色を見つけるのでしょう。
そしてその時は…
なんらかの方法でボニーの家に連絡を入れてあげてほしいな。
バズやジェシーが「あ!ウッディから手紙だ!えーと、俺はいま日本に…。日本だって!見てこの写真、ウッディったら着物きてるよ~!」なーんて笑ってくれるといいな…。
ていうかむしろ、誰か上手い人、そんなファンアートを描いてください。
鑑賞後のこのほろ苦い気持ちを、そうやって落ち着けたいの。お願い。
最後に、男女観的な感想を少し
ここからは私の「これからのジェンダー像ってどうなる?」という興味に基づいてつづるので、純粋なトイストーリーファンの方には合わないかもしれません。気に入らなかったら飛ばしてください。
たびたび言ってるように、ディズニーやピクサーが描く男性像&女性像に大変注目してまして、ヒロインのボーがパンツスタイルだった時から「こりゃーまた何か新しい女性像がくるぞ」と思ってました。
で、まぁボーは見ての通りだったわけですが問題はウッディ。ていうか最近の米国アニメが描く「強くたくましい女性」がいると、どうしたって男性キャラにも影響するわけで。ウッディにもその波が来たんだなぁという感じでした。
ウッディは…リーダーの立場をドーリーにとられ、陰ながら支える姿もボニーに気づかれず、ボーには足を引っ張るな的に言われ…女性キャラのお陰でもうさんざんです(涙)3までの司令塔らしさはどこへやら。
トイストーリーファンとしてはそんなウッディが不憫なんだけど、でも制作側としては「そうやって女性がたくましくなっていく中で、男性はどうするか?」というのをこの作品で描いたのかなとも思います。
実写版アラジンもその傾向があったと思うんですけど、あっちはジャスミンが女王になる一方でアラジンはなんかパッとしませんでしたもんね。ジーニーの魔法と自立したジャスミンを見せるための主人公みたいでした。男性の生き方としてはちょっと弱い。
対して今回のウッディ。役目を失い、残されたタスクに固執し、自分のやり方を無理に通して…痛々しいくらいでした。ちゃんと「これまでの俺が通用しなくて、なんかいま辛い!」っていうのを描いてましたね(それがファンとしては悲しくもあるのですが…)
そして最後にはいつものように仲間を助け(ギャビー・ギャビーを見捨てないとこ)、親友にすべてを託し、自分は新しい世界に足を踏み出す。
これが「これからの世の中、男性にはこういう希望があるんじゃないか?」という制作側のメッセージかなと思いました。
それにしても、トイストーリーでやらなくてもいいじゃんか!みんなの好きなウッディを3のまま、あの綺麗なエンディングのまま大事にさせてくれよ!とも思いましたが。
これまた「自分たちはトイストーリーでこれをやるんだ!ウッディにこの役目を引き受けて貰うんだ!」という制作側の強い意志と受け取りました。
ということで…まぁ結局やっぱり「ウッディ、幸せになってくれ!!」というところに着地します。
辛い役目を担ってくれてありがとう。この先の社会で男女がどうジェンダーギャップを乗り越えていけるのか、きっとまだまだ模索が続くと思う。いつかウッディが「あの時はあれでよかったんだ」と思う物語が続くよう、人間社会も頑張っていくよ…。それまでは ”so long partner…”