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新海誠監督 天気の子 見てきたよ ネタバレありの感想

こんにちは、やのひろです。今日は「天気の子」を見てきたのでその感想です。

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ネタバレ含みますので、よろしくお願いします。

 「何とかして会いたい」の次は何か?

新海監督の映画を何本か見た方ならご存知だと思いますが、作中の男女はほとんど会えません。距離や立場や時空が離れてて、会いたくても会えないんです。そんなわけで新海監督のテーマは「会えないあなたに何とかして会いたい」なんだろうと思ってました。

そんな中で大ヒットした”君の名は”は、なんと最後に会えます。あれはほんとビックリした。瀧くんと三葉ちゃんがお互いを探して走ってるころまでは「あー、これは会えないヤツだ…」と思ってたので、ラストで言葉を交わしたときは感動で手が震えました(まじで)

そんなわけでこの「何とかして会いたい」は”君の名は”で一区切りついたんじゃないかと、個人的には思ってます。あのラストシーンで私の中の浩紀&佐由理・貴樹&明里・タカオ&ユキちゃん先生etc…も報われました。ハレルヤ。

で、”天気の子”です。

これはきっと新しいフェーズに入るに違いない。これまでの新海監督作品を踏まえつつ、どんな新しいものを見られるのかなー?という気持ちで劇場に向かいました。

 

警察に銃を向けてでも君に会いたい

監督のインタビューをいくつか読んだところ、今回は「賛否両論起こしてほしい」という目的があったそうです(参考:サンスポの記事

と聞けば、もうどの辺のことか分かりますよね。帆高くんの最後の選択、陽菜ちゃんor東京の天気がアリかナシかということです。

いやー、「君に会いたい」がどう次につながるのかなと思ってたら、「何が何でも、世界を敵に回しても」が追加されたわけですね。

というか、むしろそっちの方がメインだったのかなと思います。だって帆高君と陽菜ちゃんはめちゃくちゃ一緒にいる。他の新海作品のキャラにおすそ分けしたいくらい、一緒に過ごしている。もちろん帆高君も陽菜ちゃんに会いたくて最後まで頑張りますが、「会いたい」よりも、「会いたい気持ちを貫くためには全世界に逆らってもいい」の方にスポットが当たってるように思いました。ラストシーンも「大丈夫だ!」だったしね。3年かけて帆高が自分の選択を肯定するところが着地点だったわけで。

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そしてそれに対して賛否両論が見たいということは…これは新海監督からの「君は、帆高のように世界の形を変えてでも想いを貫くかい?それとも須賀のように理性で優先順位をつけるかい?」という問いかけのように受け取りました。

監督が「世界の形を変える」ことを選んだ意図は

ここからは私の推測ですが、監督はきっとこんな感じの個人の意見をたくさん見たいのだろうから、遠慮なく個人の考えをつづることにします。正解かどうかは関係ナシに。

監督がこんな風に「世界」と「自分の想い」を天秤にかけた物語を作ったのは、やっぱり、最近の日本をガバっと覆う窮屈さによるものだろうなと思います。

普通は須賀さんと同じように考えるでしょ。警察きたらもうヤバいよ。自分の生活もあるし。悪いけどもう関われない。人ひとりの命で東京の天気が救われるなら、それも仕方ないしさ。

うん…こんな感じの言葉を毎日twitterでよく見る。至極まっとうな考えです。

で、ここからが本題。その至極まっとうな考えを突き抜けるような熱い気持ち・生の感情はありますか?と。あるはずだよね、それを自分で見ようとしてますか?と。そういう話かと解釈してます。

須賀さんも、最後の最後では公務執行妨害して帆高に手を貸してくれます。それはきっと彼も奥さんに会いたいからですよね。大人になって理性で考えるようになったけど、コントロールしきれない「会いたい」という想いが、帆高に触発されて爆発したんだと思います。

これがねー、若い人には実感わかないと思うけど、私が子供のころよりずっと気持ちを出しにくい社会になってると思う。なんでだろ?教育も個人を尊重する方向になって、個人発信できるツールも増えたのに、なーんでより一層全体を重視する社会になってんだか。不思議です。

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新海監督は私より一世代上なので、同じような実感をお持ちなんじゃないかな。そんな風に個人を貫きにくい世の中をバックに、強烈に自分を貫いた主人公を描き、それに対して「君の考えを聞かせて。全体はともかく。君はどう思いますか?」と正面から言われた。そんな印象の作品でした。

と思うと、映画の感想としてたくさんの考察が「これが正解です!」みたいなテイでたくさんUPされてるのは、興味深いなと思います。

これまでの作品にあった「君に会いたい」が”君の名は”で一区切りついたように、この「自分の想いを貫く」もこれから先の作品でますます磨かれていくのではないかと思います。楽しみ! 

最後に、私の考えをもろもろ(いらない人はここで終わってください)

ここまでさんざん「自分の考えを問われてる!」と話しておいて、自分の意見がないまま終わるのも気持ち悪いんで、需要ないだろうなと思いつつ私の感想を残しておきます。

私を須賀さんと帆高くんのパーセンテージで表すと、須賀さん90%帆高10%です。ほとんど須賀さんの思考パターンで暮らしてます。

ただ、帆高10%にあたるものはもう絶対に譲らないと決めてる部分で、むしろそこを守るために普段は須賀さん思考のフリをしてます。そして少しずつ帆高%をあげていきたいと試行錯誤してます。だから温度で例えると、須賀さん90%は20℃くらい、帆高10%は沸騰してます。ちなみに何が帆高%かというと息子に関することです。息子を幸せにするためなら世界の形も変えるよ。

だから、自分をあの映画のキャラに置き換えるなら、夏美さんが一番近いかなと思います。須賀さんを理解しつつ、帆高と一緒に走っちゃう。ていうか、夏美さんと言えば彼女の就職どうなったんだろー。どこかに雇われるんじゃなくて、フリーランスでバリバリ仕事しててほしいな。夏美さんは社会の枠にとらわれる人じゃないっしょ。

そして、全編にちりばめられた謎や伏線についてもいろいろ思うところはありますが、あれは「ご自由にどうぞ」と監督が敢えて省いたところだと思うので、私は書きません。いろいろと面白かったですね。ふふふ。

 

さて、あなたはどうでしたか?自分の中の須賀と帆高の割合はどれくらいですか。

はたまたこの映画について、私とは全然違う何かを感じましたか?

こんな風に映画を挟んであれこれ話ができるって、なんだか楽しいですね~。