いろいろあります

毎日のいろいろあること。面白い夫と元気な息子の3人暮らし

舞台 ゴジゲン 「劇をしている」 感想

大好きな劇団、ゴジゲンの新作を観てきました。

@下北沢OFF・OFFシアター

 

f:id:trombone-xeno:20160221083715j:plain

 

ゴジゲンとは&私とゴジゲン

ゴジゲンを知らない方のために簡単な説明と

あと私が語るゴジゲン話を。なんかすみません。

 

 ゴジゲンとは慶應義塾大学の演劇サークルから生まれた劇団です。

私が初めて観た彼らが大学を卒業するとき。

慶応大学の中にある劇場で公演があったので観に行きました。

…実はその時は別の俳優さんが目当てだったことをここに告白します。

 

脚本演出の松居大悟さんと俳優の目次立樹さんが中心の劇団で

その時見た「エイトビートニート」はそれまで劇場で見てたお芝居と違って

なんというか・・・その時の感想では”後味に何か残る”と思いました。

ピーマンみたいな。

美味しい、、ような気がする。でもちょと苦い。でも美味しい。なんだろ?

そんな感じでした。

今思うと多分彼らは若くて色々粗削りで、原石だったんだと思います。

ちなみにこの作品は池袋のシアターグリーンという劇場が主催する

学生演劇祭で優勝という、若手登竜門をくぐりぬけた作品でした。

 

そこから数年たって段々劇場が大きくなったころに通いだしました。

綺麗ごとやお約束ではない、

人の本性とか衝撃を描こうとしてるのかな、という印象で

いろいろ見た中では「アメリカン家族」が好きでした。

普通の家族であろうとする中で、普通ってなんだ、家族ってなんだと。

見ていて感じた胸苦しさが家族に感じるそれと近くてリアルでした。

 

ずっと客演だった東迎くんも所属になって、どんどん大きくなるなぁ、、

というころに活動休止。

理由は確か「予定されている演劇をこなすのが辛くなった」というようなもので

残念だけどとてもゴジゲンらしいなと思いました。

ただ直前に所属になった東迎くんの行く末だけが心配でした。

 

その後松居くんは

(あ、同世代なので勝手に”くん”なイメージでおります。ごめんなさい)

映像の世界でも活躍して、映画なんかも撮りはじめて、おおお凄いなと。

目次くんはとっても個性的な俳優さんで大好きだったけど

松居くん以外の舞台に出る気配はなかったからどうかな、、、と思ってたら

農業を始めたり環境のことを考えたりしてるのが何となく伝わってきて

直接演劇とは関わってないけど、なんか彼らしいなと思いました。

東迎くんは時々ゴジゲンブログを更新してくれて、その姿が本当に健気でした。

 

私も色んなお芝居を観るようになって

日本の商業演劇は正直あんまりだなぁと思うことが増えました。

けれどもゴジゲンだけは忘れてなくて、たまにブログを覗いては

復活情報無いかな、、とか松居くんまた映像やるんだな~とか思ってました。

 

で!!そんな紆余曲折を経て!!

2015年、ついについについに、3年ぶりに復活のお知らせ!!

待ってましたと電車の中でこぶし握りました。ほんとに。グッ。

ちゃんと目次くんもいる!東迎くんも!

心から楽しみにして劇場に向かい、ゴジゲンは続くことになり

(復活が決まるまでにお芝居1本分の物語があるのだけど

 いい加減本題に入らないとまずいと思うので今回は割愛)

この年公開された松居監督の映画「わたしたちのハァハァ」も面白くて

劇団復活第二弾公演が今回の「劇をしている」なわけでした。

前書きへのお付き合いありがとうございます。

 

で、「劇をしている」

f:id:trombone-xeno:20160221083729j:plain

この直球なタイトル。

松居くんの「壁を突き抜けたい気持ち」が透けて見えるようでした。

 

あらすじは・・・えーと。。

松居くんがゴジゲンを通じて「劇ってなんだ」と自問自答する話

です。

登場人物は類人猿から神まで。嘘みたいだけどほんとです。

高校生の葛藤から宇宙との攻防まで描かれました。ほんとです。

 

復活公演となった「ごきげんさマイポレンド」は

目次くんを中心にみんなの未来を探るような話だったけど

今回のは松居くんの未来を探っているようで

もともとゴジゲンはこの2人のチームだったことをおもうと

これでようやくゴジゲンの足が二本デデンと立ったんだなと思いました。

 

劇とは何か。

作ること、生きること。嘘、本当。

一見矛盾したもの全部「劇」じゃないのか。

作りこまれたファンタジーも劇、ただそこに立ってる人も劇。

生きてれば劇。舞台上の嘘は劇?駅のホームで電車を待つ現実は劇?

なぜ劇をするのか。舞台で何をするのが劇なのか。舞台は要るのか。

見ていて私も「劇」を中心にした哲学に放り込まれました。心地よかった。

松居くんはきっと「劇ってなんだ?」と考えながら

「これが劇だ」というものを作りたくて

わざわざ「劇をしている」と現在進行形のタイトルにしたんじゃないかな。

 

ポレンド、ハァハァ、劇をしている、と最近の松居作品は

どこまで脚本でどこからアドリブなのか分からない、とても自然なスタイルで

私はこれを勝手にドキュメンタリー演劇と呼んでいるのですけど(心の中で)

私が知る限りであるこの3作品のなかで、今回のエンディングが一番スマートでした。

 

人物たちの胸の内がリアルに出れば出るほど終着点が見えなくなるのです。

そりゃーね。実際にはみんな今も悩みながら生きてるわけだからゴールなんか無い。

そうすると終わりが近づくにすれ「どうする?どう終わる?」っていう時がくる。

ほんとに舞台上でこれ何度も言われます。「どうする?」って。

まさかほんとに終わり方決まってないのかなって思うくらいリアルです。

 

それが今回は、巡り巡って、人類の起源から宇宙まで巡って、

結局虚構に帰ってくる、冒頭に戻る、それでいてing形を辞めない、っていう

おぉぉぉ、そうくるか!!とすっきり爽快、素敵なエンディングでした。

生きながら作ることの着地点は、ひとまずココなんだな!と。

松居くんは何かを見つけたのかな?と感じてなんとなくニッコリしました。

 

苦しみながら作ってくれてありがとう。

またゴジゲンが見られて嬉しいです。

「なぜ劇をするのか?」って難しいと思うけど

(私はやったことがないので分かりませんが・・・)

例えば「待ってる人が居るから」ではどうでしょうか。

 

いや、それだけで自分の人生掛けてやれるかっていうと無理だろうから

色々理由がある中の一つとしてでもね。待ってる人がいる、と。

もしそういう理由が必要であれば、少なくともここに1人、

ゴジゲンのお芝居を待ってる人がいますので。

よかったらご活用下さい。

一部の演劇ファンが「リア玉」を待ってるみたいに、

私はゴジゲンの次回作をどんだけでも待ちます。

 

ゴジゲンは数少ない「時代や社会を映した芝居を作ってくれる劇団」だと思ってます。

売れるとか売れないとかじゃない、時代が必要とする薬を作ってくれるとこ。

日本版RENTみたいなお芝居を作り出してくれるとこ。

ゴジゲンが社会を切り取ってつくる演劇は、時代の薬になると思っている。

 

日本はねー、もっと演劇で救われたらいいと思うのよ。

傷から目を背けて甘ったるい話に浸っちゃだめ。

まずちゃんと傷を見るところから!それはホントは演劇の役目なのに。

 

話しそれた。とにかく。

ゴジゲンはそういうことをやってくれる劇団だから。

待ってます。これからもずっと待ってます。

 

こんな後半にすみません、客演の皆さま

今回もポレンドに続き3人の客演の方が出演されてました。

奥村徹也さん、堀善雄さん、本折最強さとしさん。

は?最強?と思った方。いいんです、この方はこういうお名前なんです。

 

ポレンドのときはみなさん初めましてだったので何となく見てましたが

今回はそれぞれの関係性も分かっていたので楽しめました。

この3人のことはゴジゲンの3人ほど追って見てないぶん

語られる背景が新鮮で、リアルでした。

「あー、、そういう事もあるのか。。」と。

演劇を続けるって簡単なことじゃないよねぇ。。

 

でも3人ともとっても芸達者なんですよ、すごいの。

あっという間に別人(別物)になれるの。

最強さんがやったウザったい女なんてほんとに女そのもので

「あ、こういう時の女ってこんなにも滑稽なんだな。気をつけよう」って思いました。

成人男性が演じた女から女の在り方を学ぶっていう経験をした。

 

この3人も幸せになってくれるといいなぁ・・・!

6人での相乗効果が好きなのでぜひまた一緒に舞台で見たい。

幸せを探しながら演劇続けられることを願っております・・・。

 

最後に、東迎くん・・・!

今回の劇中、たびたび東迎くんの脱退が匂わされました。

やめちゃうのかなぁ~~~!

残念だけど・・・でも大好きだから幸せになって欲しいしなぁ!

 

アメリカン家族のとき、ピカピカの笑顔でドエロいDVDのタイトルを言い

その場の空気を凍りつかせるという素晴らしいお芝居をされていて

その瞬間の輝き具合が私はずっと忘れられませんでした。

休止中もあのピカピカが思いだされて「彼は元気だろうか・・・」と思ってました。

 

ポレンドで久しぶりに見られて喜んでいたら

今回の舞台ではまた東くんが輝く瞬間(爆死)があって

あぁぁよかったね、東くん、あの時と同じくピカピカだよ!と

お姉さんは一人心で拍手をおくっておりました。

松居くんが東くんを夜空の星にしてくれて嬉しいです。

 

東くんの「真面目に見えて実はとんでもない爆弾」なところが好きです。

幸せになってね。

その幸せの延長やら隙間やらに演劇があるのなら・・・

ぜひまた彼を舞台で見たいです。

川崎つくろうよコンサート2016 参加しました♪

トロンボーン背負って、いざ!

f:id:trombone-xeno:20160208223508j:image 

つくろうよコンサートとは!

川崎市が年に1度開催している2日で作るコンサートのこと。

会場は吹奏楽コンクールでも使われている川崎市民文化会館。

 

こんな偉そうに言ってますけど実は私も今回初参加。

去年自由演奏会で一緒になった方に教えてもらいました。

「どうやったら参加できますか?」ってきいたら

「夏ごろに”つくろうよコンサート”で検索したら出ます」と言われて

なんてざっくりした話だ!と思ったけど本当にこれで出ました。

参加したい方は夏ごろに”つくろうよコンサート”で検索してください(^^;

ちなみに2016年のサイトはこちらです↓

川崎市川崎区:つくろうよコンサート2016~つくコンvol.13~お知らせ

 

で、そんな作ろうよコンサート。

行政が主催してくれてるだけあって何かと丁寧!!

 

・事前に譜面を送ってくれる

・事前の練習室を用意してくれる

・会場の照明をフル活用

・ちゃんとパートごとに分かれた座席配置

 

何と言っても事前に練習できるのがありがたかったです。

自由演奏会みたいに当日だけ吹くものお祭りみたいで楽しいけど

やっぱりそれだと吹けないところは吹けないし。。

練習できるだけあって自由演奏会より曲の難易度も高かったと思います。

 

今回の曲はこのような物でした。

 

♪ミュージックメーカーズ

♪挑戦民謡の主題による変奏曲

エルカミーノレアル

♪アルセナール

♪ディズニーセレブレーション

♪故郷

♪マラゲーニャ

アイルランド民謡

♪宝島

 

吹奏楽をあまりご存じない方のために簡単な解説。

この曲目をジャンルで分けるとこうなります↓

 

・ミュージックメーカーズ(前奏曲

・挑戦民謡の主題による変奏曲(コリアン民謡)

エルカミーノレアル(ラテン)

・アルセナール(行進曲)

・ディズニーセレブレーション(ディズニー)

・故郷(日本の童謡)

・マラゲーニャ(ラテン)

アイルランド民謡(アイルランド

・宝島(日本のポップス)

 

あらゆるジャンルが混ざってる事が伝わりますでしょうか。

これが吹奏楽の素敵なところだと、私は思います^^

クラシックみたいにずっとお上品なわけじゃなく

聞きなれた曲も世界各地の曲もいっぺんに楽しめるのが吹奏楽です。

 

特に今回の曲はどれもカッコよくて聞くのは楽しい・・・のですけど

吹くとなるとどれも難易度高くて焦りました!

こういう突発コンサートでしか演奏してない

基礎力ナシの私にはどれもハードル高かったです(T_T)

 

一応譜面が手元にあるんだから練習しないとまずいと思って

youtube聞きながら一通りさらってみたんですけど

1週間やっても思うように吹けなくて落ち込み。。

どうしよう、私だけ全然吹けないかもしれない、、と思いながら

トロンボーンを背負って会場に向かいました。

 

つくろうよコンサート前日。

ほとんどのメンバーが集まって初めての合奏です。

今回の参加者は200名!

トロンボーンは1st、2nd、3rdと1列ずつ並び、

3rdの私は後ろにTrb2nd、前にEuphという席順で演奏しました。

 

f:id:trombone-xeno:20160208223557j:image

 

全曲通し練習。

やっぱり吹けないところは吹けない(涙)

でも後ろから1stや2ndの音がバリバリ聞こえてきて

3rdだっていい音やってるよ!と主張したくなり・・・

 

当日午前中。またまた通し練習。

なんとかついていけるようになった!

16分音符が続く細かいところはもうしょうがない。気合。

これならやれる気がする!!

 

ということで迎えた本番は・・・

 

めちゃくちゃ楽しかったです!!!

 

びっくり。

カッコよくて、吹きながらビックリしてました。

 

途中で指揮の先生も

「つくコンの素晴らしいところは

 他人同士が集まって2日で音楽を作っちゃうところ」

とおっしゃっていて

あー、こういうことかぁって吹いてて思いました。

 

自由演奏会だとやっぱり全員の気持ちを合わせるとこまでは

時間がなくて出来ないけど(その代わり勢いを楽しむ場)

つくコンは何回か繰り返して練習してるうちに

音楽が合ってくるんだと思います。

 

挑戦民謡の主題による変奏曲には緊張の一瞬があって

全員音がなくて数秒間完全に無音になった後に

これまた全員でジャガジャガジャン!!と派手に鳴らすんですね。

もしここで誰か1人でもカウントを間違えてパプ!と出してしまったら

途端に「やっちゃった!」感が出て台無しですけど

本番は見事に、みごとに揃いました。やー、緊迫した!

そこが過ぎたときは心臓がバクバクしてました。

 

そんなシーンでも思い切って飛び出せたこととか、

主旋を張り切るだけじゃなくて和音を豊かにしたいと思ったこととか、

自分一人の力ではなくて200人の音に後押しされたからなんだと思います。

ああやって曲の世界で楽しく過ごしたのは凄く久しぶりだった気がする・・・。

 

冒頭にもちらりと書いたとおり、照明もとても凝ってて。

曲に合わせてライトが変わったり絵を映してくれたり、

そういう整えられたステージで演奏したのも10年ぶりです。

たった2日の演奏でも環境を整えてもらうと気が引き締まりました。

 

f:id:trombone-xeno:20160208223638j:image

 

この演奏会を企画して作ってくれた方々、本当にありがとう!という気持ちです。

行政の方ももちろん、当日のスタッフをして下さった方達も。

お蔭で本当に気持ちよく演奏することができました。ほんとにありがたい!

 

一緒に演奏した方達ともなんとなく仲良くなってお別れしました。

また来年一緒に演奏できますように(^^)

 

映画 ワンス ダブリンの街角で 感想 人生の踊り場には音楽が必要

映画館で見れなくて
ミュージカルの来日公演も見れなくて
ずっと気になってました。

f:id:trombone-xeno:20160205124620j:image


同じ監督が撮った「はじまりの歌」がとてもよかったので
この機にDVDレンタルしました。
ここから感想の中にネタバレあります〜。





これは、人生の踊り場にいる男女が
音楽を分け合って
新しい一歩を踏み出す物語。

前に何があったか、その後どうなったは描かれないから
歩き出すところが凄く際立ってました。


なんかさ、、、
生きてると、成長とか進化とかそういうのばかり入ってくるけど、
実際こういう、一回休み!ってなることはあるよね…

また出てくる人が誰もそれを責めないの。
ちゃんとした仕事につきなさい!とか言わない。
本人も別に悪い状態だとは思ってなくて
その時できることに取り組んでるし。
日本と海外の違いなのかなぁ。
立ち止まってる人への優しい目線を感じました。


最後、彼女は家に来ないわけだけど
あれをどう見ましたか??

私はね、彼女は凄く迷ったんじゃないかと思いました。

行きたいけど、いま行ったら感情に流されてしまうって思って
無理して、辛い思いして、行かなかったんじゃないかな。

ドライブに誘われた時は感情を取って、
それも楽しかったしセッションもよかったし、
いま家に行ったら、その時はまた楽しくても
結果的に二人のこともそれぞれの世界もダメにしてしまうって
そう思って行かなかったんじゃないかな。

彼にはそれが伝わったのかな。
だからピアノを買ってくれたのかな。
だとしたら彼女が歌ってた「私も努力してるのよ」っていうのが
叶ったんじゃないかな…

普段DVDは、やっぱり映画館ほど入り込めなくて
「あー、映画館で見たかった!」と思うんだけど
今回のはDVDなのにポロポロなけちゃって
「あー、映画館で見たかった!!」ってなりました笑

いい歌だったなぁ…
舟で漕ぎ出そう、辿り着けるよ、って。
人生の踊り場には音楽が必要ですよね。
音楽は人生の薬。

「はじまりのうた」を(堪えられなくて)もう一度みた

大好きな映画館、渋谷のアップリンク
見逃した映画特集2015をやっています。
んもう、この企画の切り口だけでステキ。惚れ直す。

 

いくつか見たい映画があった中で
ダントツにもう一度見たかったのがこれです。
「はじまりのうた」

 

f:id:trombone-xeno:20160111225649j:plain

 

やのひろ的2015年TOP3に入る素敵映画です。

私は基本的に1つのエンタメは1回しか見ないポリシーなのですけど
これはせっかく機会があるならまたスクリーンで見たい!と
いつものマイルールを破ってまで見に行ってしまいました。

 

もうね、とにかくイイのが最初の30分(推定)。
1つの歌を軸にグレタ(キーラナトレイ)とダン(マークラファロ)の
人物背景が描かれるとこです。ここが、めちゃくちゃ、好き。

 

まずあの構成。
物語の鍵になる曲を冒頭にぽーんと見せて
ん?どういうことかな?と思わせといて
時間と人物を行き来しながら背景を説明していく。あの構成。
「あ、そういうこと!」っていうのが2度もくる。
更にはそれが来るたびに曲の深みが増すという仕掛け!!くー!

 

そしてあの曲。なんて良い曲なんだ。

 

最初にグレタが歌う弾き語りver.でも素敵だけども
次にかかるダンのアレンジver.!!
魔法のように動き出す楽器。
輝きだすグレタ。
ぐんぐん広がる曲の世界!

 

もうね・・・私あのシーンで泣けるんです。
音楽に命が宿るようで。。鳥肌ぶわーで涙がぽろーなんです。

 

この映画が言いたいのは
「誰かと気持ちを分かち合う幸せ」
なのだと思います。

 

誰かと繋がりたくてコネクタを大事にしていたダンと
1人で閉じこもっていたグレタの間に
音楽っていう特別なコミュニケーションの橋が架かって
突然に、でも必然のように、気持ちが通い合っていく。
あの感じ。なんて尊いんだろう…。

 

デイヴはグレタの曲をポップスにアレンジしてしまったけど
ダンは最初のあの魔法のシーンからグレタの曲をきちんと解釈していた。
「この歌の世界が分かる」ということで救われたダンと
「私の歌を分かってくれる人がいる」ということで救われたグレタ。

あー…なんて素敵なの。

 

あの二人、ちょっといい雰囲気になるのに恋人にはならないんですよね。
そこがいいなと思いつつ、なんで恋人にしなかったんだろう?とも思いました。
例えばダンがもっと若い男性の設定だったら恋愛発展もアリなんじゃ?って。

 

でも今回見てみてハッとしました。
アルバムづくりが終わってお別れを言うシーン、
グレタとダンが向かい合っててそれぞれのアップが入るとこ。
その二人の目をみて。あぁこれは・・・愛だなって。

 

私を愛して欲しいとか、一緒にいたいとか、
そういう欲求を超えたもの。
相手を尊敬して幸せを願って別れを惜しんで
それでもどこかで繋がってると思える関係。

そういうのをあのシーンから感じました。

 

親子とか子弟とかでも起こり得る、いわゆる無償の愛。
これってある意味男女の愛情よりずっとピュアだと思いませんか。
だって何の見返りも望まないんだもの。


そういう深い深い愛情を描くために
この二人はこの関係だったんじゃないか・・・と思います。

 

愛する誰かと気持ちを分かつ。
これこそが豊かな人生の秘訣だよ・・・。
そんなことを言われた気がしました。

 

あー。。。
見にいってよかった。私の宝物映画です。

今年はブログの筑前煮化を目指します

こんにちは、やのひろです。


新しくブログをやろう!と思った時

ここ数年やっていたサイト解析のアタマがあれこれと働きました。

検索にかかりやすいものは何か

人が欲しがるものは何か

どこの数字をあげるのが効果的か…


その結果、そんな有益なものは自分からほとんど出なくて

サイトは放置気味に。

まさに本末転倒!


そんなこんなしながら色々やってるうちに

Webはそろそろメディアになるべきなのでは?

というところにいまおります。


それってどういうこと?

何すればいいの?

もうかるの?

この辺のことは何もわかりません。


ただ、これまで私がやってきた

「サイトとは数字を見ること」

↑一度これは置いといた方が良さそうだ

ってことだけ今わかってます。


なのでサイトに書くことの制限をもう少し緩くして

色んなことをざっくばらんに書いていきたいと思います。

自分の脳内を言語化する訓練!


サイトの効果を思えば書く内容を絞った方が良いことは分かってますが

自分をそんなに都合よく切り分けることが出来ないので

私が感じたあらゆる事が出てくると思います。

目指すは筑前煮。

色々入っててそれぞれ美味しい、みたいな場所にしたいです。


今後ともどうぞ宜しくお願いします!


やのひろ


【映画】パパが遺した物語 ネタバレ 感想

こんにちは、やのひろです。

今日は「パパが遺した物語」を観てきました。

 

f:id:trombone-xeno:20151016083709j:plain

 

それではネタバレを含む感想行きます!

 

あらすじ

1989年のニューヨーク。

作家のジェイクは妻と小さな娘の3人とで幸せに暮らしていたが

ある日自分が運転する車で事故を起こし

妻を失い自身も精神的な病と発作を患ってしまう。

しばらく入院して治療にあたるため娘のケイティを妻の姉に預けるが

退院後その姉夫婦がケイティを引き取りたいと言い出す。

娘を失いたくないジェイクはヒット作を生み出そうと躍起になるが・・・

 

一方2014年。

成長したケイティは大学で心理学を学んでいた。

人と深く関わることのできない彼女は男あそびを繰り返し

自身が抱える心の闇に苦しめられていた。

そんな時、父が書いた物語が好きだという男性キャメロンに出会って・・・

 

良い話、良い俳優、だけど・・・

普段はなるべくポジティブな面を見るようにしてるのですが

今日は残念ポイント多めな感想になります。

この映画が好きだった方には不愉快かもしれません、ごめんなさい。

でも残念な映画を見るから素晴らしい映画にも気づけるワケなのでね。

素直に感想をつづっていきます。

 

ストーリーは、美しいです。

親子愛。誰の心にも琴線のあるテーマですね。

しかもタイトルに「遺した」ってあるとおり

絶対にパパは死んじゃってますからね。

こりゃもう人生論的な感動テーマがあるだろうと分かります。

 

俳優さんも、有名です。

ラッセル・クロウアマンダ・セイフライドなんて

どちらか一方の主演でも見たいと思うのに共演とは!

しかもこの二人と言えばレ・ミゼラブル(^^)

どんな絡みになるんだろう~、と思ってました。

 

しかしいざ見てみると。

私はイマイチでした。全くジンとしなかった。

こういう映画は大体泣いちゃうのですけども

珍しくうるっともしませんでした。

 

物語に入り込もうと思っても

醒めてしまうシーンが多くてちっとも揺さぶられない。

ずっと、どうしてなんだろう?と思いながら見てました。

 

監督?編集?脚本?

こんなに良い素材があるのに何故入り込めないのか。

それいはシーンとシーンの流れや

カットとカットの繋がりが

自然に感じられなかったから、と結論付けました。

 

凄く良い人が良い話をしてるのにつまらない、みたいなものです。

話すテンポ、言葉、抑揚などの話し方の所為で詰まらない時。

同じ話でも違う人が話せばもっと面白いのに、っていうのに似てました。

 

あくまで私にとってはそうだった、というだけですけどね。

あの流れでグッときが人ももちろんいらしたのだろうとは思います。

 

例えば、ラスト手前でケイティが叔母さんとお茶を飲むシーン。

 

ケイティは別れたキャメロンに会いに行ったものの諦めてしまい、

叔母さんは離婚して、25年経ってるのかな、こっちも?

とにかく二人とも愛に破れてしんみりとお茶を飲んでいます。

 

これは成長したケイティが自分の保護者といる唯一のシーンでした。

 

それまで大人のケイティはいつも一人で

彼女がどうやって生きて来たのか、生きているのか、説明されてません。

けれどもパパが亡くなった後は

離婚した叔母がケイティを育てたと思われます。

つまり娘と母代わりとの場面なわけですね。

 

そんな人と終盤に差し掛かってようやく向き合っている。。

短いシーンでしたがケイティが自分の成長過程と直面出来たという

重要な意味を持つ場面だったと思います。

 

そこで叔母さんはこう言います。

「男は愛が無くても生きていけるのよ。でも女は違うわ」

そして、それをじっと見つめるケイティ。

 

しゅん・・・。

そうなのかな。。キャメロンもそんな人なのかな。。

でもパパは確かにケイティを愛していたよ。。

ケイティに愛をくれる人は現れないのかな・・・

 

そう思ってみていると次のシーンはケイティの家の前。

ふと見るとキャメロンが階段に座っています。

待っててくれたのですね。

泣きだすケイティ。抱き寄せるキャメロン。

 

 

ここで映画は終わりです!えええええええ!!

意味深な叔母さんのセリフなんだったの!?

 

親代わりだった人が言った「男に愛はいらないのよ」

を打ち消すにはあまりにあっさりしたエンディングでした。

キャメロンはそんな男じゃなかったと思うには説明が足りません。

 

しかし彼が待っててくれるシーン自体は美しかった。

だとしたら、叔母さんのシーンは

もっと前にあれば良かったんじゃないかと

素人ながら思います。

 

例えば、ケイティがキャメロンに会いに行く前とか。

 

ケイティはキャメロンと別れてしまった、自分が悪いと分かっている、

しばらく家に引きこもる、何もできない・・・

 

そんな時叔母さんに会いに行く。

滅多に近寄らない人だけど、本当に愛した人を失った今

とにかく誰か素直になれる人に会いたくて。

 

色々あったけど姪の自分を育ててくれた人。

自分自身も家族のことで傷ついた人。

そんな彼女がくれたアドバイスは「男に愛はいらないのよ」

慰めとも諦めともとれる言葉です。

 

でもケイティはやっぱり諦められない。

自分は女だから、愛が必要だから、キャメロンに会いに行く。

勇気を振り絞って行ったけども怖気づいて引き返してしまう。

もうだめ・・・と思った時に聞こえる思い出の曲。

パパに会いたい・・・!

絶望的な気持ちで岐路に着くと・・・そこに愛する人が。

 

キャメロンはケイティにとって

最高のパートナーに、そしてパパに代わる愛情をくれる人に

なってくれたわけですね、めでたしめでたし・・・

 

この方が美しかったと思います。

叔母さんの悲しいセリフも昇華されると思う。

なんであのエンディングの直前に叔母さんのシーン入れたんだろう?

恐らくは落差を使って印象的にしたかったのでしょうけど

私にはチグハグに感じられてイマイチでした。

 

それぞれは素晴らしい素材だったのだから

もっと上手く組み立てれば良い映画になったと思うんだけどな。。

高級食材をたくさん入れたら味がまとまりませんでした、

というような感じの映画だと思いました。

 

こうなるのはどこの影響が色濃いのでしょう?

監督?編集?それとも脚本??

映画を作る過程を知らないから分かりませんけれども・・・

どなたか思い当たる節がありましたらぜひ教えてください。

 

自分ならどう描くか考えてみた

途中から作品に入るのを諦めたので

「自分ならどう組み立てるか」を考えてみてました。

 

公式サイトによると最初はパパだけの話だったところに

後から大人になったケイティの話を追加したらしいですけど

私があの話を組み立てるなら全部ケイティの話にします。

 

叔母さんのシーンと同じく飲み込みにくかったのは

ケイティがあばずれとして成長してたとこです。

ビックリしましたよね??(笑)

かと思ったら突然子供時代の話に戻ったりして

ん?25年経ったの?戻ったの?行き来する話なの?と

途中混乱しました。

 

私なら、最初からケイティ主体の話として進めて

あの可愛い少女がどうしてこうなったのか、

どんな心理的影響があって今孤独なのかをもっと丁寧に描きます。

 

時間の行き来は分かりやすくするために何か小道具を使って

それが新しくなると過去、古くなると現在、と見せるとか

途中一か所あったように大人のケイティが子供の自分とすれ違って

時間が戻っていくとか、そういう見せ方にしたらどうかと思います。

 

エンディングがケイティなのだから

描きたいのはケイティの心の傷と、それを見守るパパの愛のはず。

だったらそこにもっとフォーカスした方が伝わるのではないでしょうか。

時間軸も人物軸もあちこち行き過ぎた気がします。

 

なんて。

映画製作を学んだ訳でもないただの映画好きの妄想ですけどね~。

映画作りを勉強されてる方ならどう思うのかしら??

この映画は良かったですか??

自分が作るとしたらどんな風にしますか??

もしよかったらコメントお寄せ下さい(^^)

 

 

それではまた!

 

【舞台】TOP HAT トップハット来日公演 ネタバレ 感想

こんにちは、やのひろです。

渋谷のシアターオーブでトップハット来日公演を観てきました。

 

f:id:trombone-xeno:20151009092222j:plain 

 

英国人の友達が

「トップハットは素敵よ!」と言ってくれたのがもう数年前。。

いつか見たいと思っていた夢が叶いました。

それではネタバレ含む感想いきます!

 

簡単なあらすじ

ブロードウェイの人気俳優ジェリーは

英国の名物プロデューサー・ホレスの誘いに乗って

ロンドンの新作に出演することを決める。

 

初日を明日に控えたロンドンの夜

ホテルのホレスの部屋でタップダンスを踊っていると

その真下の部屋に泊まっていた美女のデイルが苦情を言いにくる。

一目で恋に落ちたジュリーは翌日から彼女にアプローチし始める。

 

一方、ホレスにはマッジという妻が居た。

彼女は自分が滞在するヴェネツィアにホレスとジュリーを呼ぶ。

ジュリーに紹介したい女性がいるという。

 

美女のデイルは実はそんなマッジの友達だった。

マッジから「同じホテルに私の主人が居るわ」と聞いた彼女は

自分の真上の部屋にいると知りジュリーとホレスを勘違いする。

私を追いかけて来たのは友達の旦那さんだったんだわ!

 

何も知らずにデイルに迫るジュリー。

ジュリーを友達の旦那と間違えているデイル。

夫は友達に手を出してると勘違いするマッジ。

何も知らずにとばっちりを受けるホレス。

 

果たして4人は誤解を解いて

無事ハッピーエンドにたどり着くのか・・・?

 

アメリカのラブコメ、ロンドンで復活!

超王道のボーイ・ミーツ・ガール物。

何の心配もなくニコニコ笑って見守れるハッピーな舞台でした。

 

 この作品は元々は1935年に作られたアメリカの映画です。

 

f:id:trombone-xeno:20151009094355j:plain

 

お話の中心はロンドンでしたが

実はアメリカで生まれたお話なんですねー

 

アメリカ生まれのラブコメミュージカルと言えば

クレイジー・フォー・ユーを思い出しました。

展開や雰囲気はあれとよく似ています。

 

f:id:trombone-xeno:20151009094401j:plain

 

ボーイがガールとミーツしてラブがゴーイングするのに

その間にミステイクがあってドタバタ、

最後にはハッピーエンド♪という流れです。

 

っていうか調べたら1935年て

ガーシュウィンが活躍してる時代だった。。

流行ってたんでしょうね、こういうのが。

 

ロンドンで生まれたミュージカルだと

お話がもうちょっと情緒的なんですね。

オペラ座の怪人とかビリーエリオットとか

ストーリーがもっと込み入ってます。

 

それでいくとトップハットはとてもアメリカンな話です。

舞台がNY→ロンドン→ヴェネツィアと移動するのも華々しいですね。

アメリカ産の話なのに紳士的なシルクハットがテーマとは興味深いです。

欧州にルーツを持つ人達の英国への憧れもあったのかな??

 

そんなアメリカンな話が

ミュージカルとして生まれ変わったのはロンドン!

これが本作の面白いところです。

 

パパッと楽しめるアメリカンミュージカルが

美と情緒のロンドンミュージカルの手にかかるとどうなるのか??

ブロードウェイ(NY)とウェストエンド(ロンドン)の

ハイブリッドが楽しめる!というのが一番の魅力だと思います。

 

ロンドンらしい上品な演出

舞台は全体的にベージュやクリーム色のような

柔らかくて落ち着いた雰囲気にそろえられていました。

衣装も淡いグリーンやブルーなど優し色合い。

少ない色数でまとめられているのは

ポスターを見てもお分かりいただけるのではないかと思います。

 

それになんと言ってもダンスが美しい♪

 

舞台を見る前にネットで映画を差探してみましたが

そちらは舞台より少し派手な振付な気がしました。

 

例えばジュリーとデイルが雨宿りしながら踊るシーン。

映画では最後二人は胡坐をかいて座り握手するのですけど

舞台ではジュリーがデイルを引き寄せてキスをします。

 

私はダンスに詳しくないので推測ですけど

ちょっとしたターンの時に飛ぶのか滑るのかとか

手を広げた時にピッとするのかスラリとするのかとか

少しの違いで雰囲気が変わるのではないかと思います。

 

舞台版は流れる水のように、上質なシルクのように

滑らかで美しい動きが盛りだくさんでした。

 

そんな上品な演出に包まれていると

デイルの勘違いで進んでいくドタバタも

コミカルというよりとてもキュート!

 

勘違いしてるデイルがジュリーをひっぱたくシーンも

可笑しいというよりほほえましかったです。

あーあ、、嬉しかったからこそ怒っちゃったのね、って。

でもそれ勘違いだよ~(^^;って。

 

ロンドンミュージカルでは

こういうシンプルなラブコメってなかなか無いので

かえって新鮮に見ることができました♪

ロンドンがラブコメやると上品になるんだなぁ~。

 

カーテンコールは写真撮影OK!

なんと、カーテンコールでは写真が撮れました。

 

f:id:trombone-xeno:20151009092455j:plain

 

ていうか、カーテンコールがあることに驚きました。

 

ご存知でしょうか。

舞台が終わって幕が降りてから拍手しまくるのは日本の習慣です。

少なくともNYやロンドンでその場面にあったことはありません。

 

海外は上演中の拍手が日本の5倍くらいあります。

バチバチバチバチ!ヒューヒュー!ワーオ!って上演中にやって

キャストが一通り挨拶して幕が降りたらみんな帰ります。

オケが演奏を続けてても関係ありません。さっさと帰ります。

 

私はオケも好きなので最後まで聞いてましたが

終わるころには誰も居なくて

もうお掃除の方がごみを拾ってました。

(余談ですが海外は客席飲食自由。終演後はゴミだらけです。すごい)

 

そんなわけで、終わってからも拍手し続けて

幕が何度もあがりキャストが何度も出てくるのは

とても日本的な行為なんだと思います。

その代わり日本は上演中大人しいですからね。

最後に感激を伝えたいんですよね。

 

この前同じくオーブでみたピピンでは

一度もカーテンコールをやりませんでした。

最後のオケが終わっても幕が上がらなくて

客席からは落胆の声が聞こえました。

私は来日公演だから仕方ないと思ったけど(^^;

気持ちは分かります。

 

だから今回カーテンコールがあるのにびっくり。

日本風にしてくれたのでしょうか。

何にせよありがたい事でした~。

 

f:id:trombone-xeno:20151009092333j:plain

 

とっても可愛いアメリカン・ロンドンミュージカル。

難しい事は考えず、ただただ幸せになれる作品でした。

 

f:id:trombone-xeno:20151009092237j:plain

見終わったらキレイな空♪

 

それではまた!