読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

やのひろです

気になるあれこれ

映画 シングストリート 感想

映画を見ました

こんにちは、やのひろです。

映画「シングストリート」を見てきました。

作品の内容にも触れるのでまだ見てない方はご注意ください。

 

f:id:trombone-xeno:20160818202949j:image

 

ジョンカーニー監督の新作!

「ワンス ダブリンの街角で」「はじまりのうた」を撮った

ジョンカーニー監督の新作です。待 っ て ま し た !

 

ワンスはDVDでしか見てないのですが、はじまりのうたは映画館で2回みました。

映画「はじまりのうた」 感想 - やのひろです

「はじまりのうた」を(堪えられなくて)もう一度みた - やのひろです

 

大好きな監督です。

監督で作品を選ぶ唯一のひと。

 

ミュージカルよりさりげなく音楽が使われいて

とても清々しいのに押しつけがましくない物語。

なんか、号泣した後のようなスッキリした気持ちになる作品を作る方です。

 

ひょっとしてシンプルかと思いきや

舞台はワンスと同じくダブリン。

あの閉塞感のある街で少年が素敵な女性の気をひくためにバンドを始める。

・・・ってなんだかちょっとありきたり?と最初は思いました。

 

いや~、でも。この監督なんだから。

そんな単純なストーリーじゃないんだろうな、と予測して見に行ったら。

 

 

はい、やっぱりそうでした。

いろんな人物が重なり合って味わい深い作品(T_T)

はじまりのうたに続いてポロポロ泣きました。

 

一番ぐっと来たのは体育館でMVを撮るシーン。

コナーは演奏しながら想像の世界を膨らませます。

 

バックトゥザフューチャーに出てくるようなアメリカ風のダンスパーティ、

仲のいい両親、カッコいい兄貴、そしてオシャレして現れるラフィナ。

コナーはビシッと決めたスーツで歌っていて、みんな笑顔で・・・

 

でも現実は違います。

体育館は薄暗く人はまばらで、両親も兄もラフィナも居なくて、

僕たちも精一杯決めてるけどプロのようには見えなくて。

 

14歳の少年が希望をグーンと広げた姿が

愛おしくて切なくて涙が止まりませんでした。

 

お兄さんの物語でもある

コナー少年はお兄さんに音楽の手ほどきをしてもらって成長します。

 

このお兄さんがね・・・いいのよ。。うっ、思い出すとまた涙が。

 

お兄さんの物語はあまり説明されません。

ただ大事な要素だけが短いシーンでぽろっとでてくるだけ。

このさりげなさが監督のいいとこなんだよなぁ・・・。

説明くさくないの。自然にカードを切ってくるから琴線やられちゃう。

 

お兄さんのシーンで好きだったのはここ。

 

「お前は末っ子だから俺が作った道を歩いてきただけだ!

 俺は!俺自身が上昇気流だった!この狂った家族の!」

 

私自身が末っ子なのでこのセリフにはぐっときました。

うぐっ・・・そうだよね。。

これはコナー君の責任じゃないんだけど、でもお得な立場なんだよね。。

 

いつもノラリクラリと家族のごたごたをかわしてるお兄さんが怒鳴り散らして

コナー君はびっくりします。悲しくもあったでしょう。

そこで言い返すでもなく、泣きだすでもなく、

「ちょっとトイレ・・・すぐ戻るよ」と席を立って洗面所で泣くのがまた良かった。

お兄さんヘの気遣いと自分のプライドと。

この距離感が生っぽくていい。ジョンカーニー監督の魅力だと思います。

 

ラストシーンがまた最高

自信をつけたコナーくんはラフィナと一緒に旅立つことを決めます。

 

お兄さんが出来なかったことを、お兄さんの経験を踏まえて実行する。

お母さんに愛してると別れを告げる。家族が嫌いなわけじゃない。

 

天気は雨。波は大荒れ。

 

冷静に考えれば、彼には何の力もありません。

学校のイベントで小さな成功体験を積んだだけ。

大都会に子供2人でどうするの?上手くいくわけないでしょ?

普通の大人ならそう言うでしょう。

 

でも彼は降りしきる雨の中一生懸命に目を開いて前を見ていた。

天気は雨だけど空はぼんやりと明るい。

 

もしあのシーンが晴天だったら、後味の良さはすこし落ちたんじゃないでしょうか。

青空で波も穏やか、前途洋々!それだと少し嘘くさい。

全編に漂っていたスモーキーな空気と土砂降りの雨のなかに

少しだけ光が感じられるラストシーンだったから、

この映画は爽やかなんじゃないかと思います。

 

また早朝だったのもよかった。

 

ラフィナがこの前にロンドン行きを目指した場面は作中には出てきません。

でもその時に同行したはずの彼氏が、唯一出て来たシーンは夜でした。

 

それに対してコナー君の出発は朝。

前回のロンドン行きは上手くいかなかったけど、今度はもしかしたら・・・!

そんな風に思わせてくれる場面だったと思います。

 

 

いや~、やっぱり好きです、ジョンカーニー監督!

 

この作品のテーマは「悲しみの中の喜び」だと思いました。

これは映画の中にもでてきたフレーズですね。

 

人生いいことばかりじゃないよ。しんどいこともあるよ。

でもそんな時も歌がある。歌が支えてくれる。

そこから道が開けることもある。光が差すこともある。

 

そんな映画なんじゃないかと。

 

「ワンス」「はじまりのうた」を踏まえての名作だと思います。

やのひろ的今年の映画ベスト3には入る!

あぁ・・・やっぱりもう一度みたいな~。