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毎日のいろいろあること。面白い夫と元気な息子の3人暮らし

「はじまりのうた」を(堪えられなくて)もう一度みた

大好きな映画館、渋谷のアップリンク
見逃した映画特集2015をやっています。
んもう、この企画の切り口だけでステキ。惚れ直す。

 

いくつか見たい映画があった中で
ダントツにもう一度見たかったのがこれです。
「はじまりのうた」

 

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やのひろ的2015年TOP3に入る素敵映画です。

私は基本的に1つのエンタメは1回しか見ないポリシーなのですけど
これはせっかく機会があるならまたスクリーンで見たい!と
いつものマイルールを破ってまで見に行ってしまいました。

 

もうね、とにかくイイのが最初の30分(推定)。
1つの歌を軸にグレタ(キーラナトレイ)とダン(マークラファロ)の
人物背景が描かれるとこです。ここが、めちゃくちゃ、好き。

 

まずあの構成。
物語の鍵になる曲を冒頭にぽーんと見せて
ん?どういうことかな?と思わせといて
時間と人物を行き来しながら背景を説明していく。あの構成。
「あ、そういうこと!」っていうのが2度もくる。
更にはそれが来るたびに曲の深みが増すという仕掛け!!くー!

 

そしてあの曲。なんて良い曲なんだ。

 

最初にグレタが歌う弾き語りver.でも素敵だけども
次にかかるダンのアレンジver.!!
魔法のように動き出す楽器。
輝きだすグレタ。
ぐんぐん広がる曲の世界!

 

もうね・・・私あのシーンで泣けるんです。
音楽に命が宿るようで。。鳥肌ぶわーで涙がぽろーなんです。

 

この映画が言いたいのは
「誰かと気持ちを分かち合う幸せ」
なのだと思います。

 

誰かと繋がりたくてコネクタを大事にしていたダンと
1人で閉じこもっていたグレタの間に
音楽っていう特別なコミュニケーションの橋が架かって
突然に、でも必然のように、気持ちが通い合っていく。
あの感じ。なんて尊いんだろう…。

 

デイヴはグレタの曲をポップスにアレンジしてしまったけど
ダンは最初のあの魔法のシーンからグレタの曲をきちんと解釈していた。
「この歌の世界が分かる」ということで救われたダンと
「私の歌を分かってくれる人がいる」ということで救われたグレタ。

あー…なんて素敵なの。

 

あの二人、ちょっといい雰囲気になるのに恋人にはならないんですよね。
そこがいいなと思いつつ、なんで恋人にしなかったんだろう?とも思いました。
例えばダンがもっと若い男性の設定だったら恋愛発展もアリなんじゃ?って。

 

でも今回見てみてハッとしました。
アルバムづくりが終わってお別れを言うシーン、
グレタとダンが向かい合っててそれぞれのアップが入るとこ。
その二人の目をみて。あぁこれは・・・愛だなって。

 

私を愛して欲しいとか、一緒にいたいとか、
そういう欲求を超えたもの。
相手を尊敬して幸せを願って別れを惜しんで
それでもどこかで繋がってると思える関係。

そういうのをあのシーンから感じました。

 

親子とか子弟とかでも起こり得る、いわゆる無償の愛。
これってある意味男女の愛情よりずっとピュアだと思いませんか。
だって何の見返りも望まないんだもの。


そういう深い深い愛情を描くために
この二人はこの関係だったんじゃないか・・・と思います。

 

愛する誰かと気持ちを分かつ。
これこそが豊かな人生の秘訣だよ・・・。
そんなことを言われた気がしました。

 

あー。。。
見にいってよかった。私の宝物映画です。