やのひろです

気になるあれこれ

ネット炎上ってなんだ(from ネット炎上の研究ー突然僕は殺人犯にされたー男が働かない、いいじゃないか)

こんにちはやのひろです。今日はネット炎上って何だろうという話を。

 

私には大きな疑問があります。「ネット炎上ってなんで起こるの?」←これです。私はインターネットが好きでネット業界に入りました。その時読んだ本がこれ。

 

 ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる

 

本当に面白かった。インターネットすごーい!画期的―!これから凄い世の中がくるんだ!とキラキラしました。まさかその著者がわずか3年で「あれは違ってました」と言うなんて露ほどにも思わずに。(これは仕方ない。情勢の変化が速かったし予想外の方向だったから。著者を責めてるわけじゃありません笑)

 

キラキラしたままネット業界に入って最初は面白かった。ネットの仕組みをしりビジネスをしり、大変だったけど楽しかった。ところが数年でオヤと思ったんです。「なんか最近ネットの悪い話ばっかりだな」と。例え烏合の衆でも情報の精査能力が上がっていけば玉石混合のうちの玉だけを抽出できるようになるんじゃなかったんかい、と。

 

何かというとグレーな顔を出してくるネット住民に疲れ、「ネットはドル箱らしい」と信じて変な施策を突っ込んでくる上司にも疲れ、いい加減ネット炎上って何のか本腰入れて考えよう、と手に取ったのがこれでした。

 

 ネット炎上の研究

 

ネット炎上を定数的にとらえようという画期的な試み。結果だけニュースになったので見た方も多いんじゃないでしょうか。炎上参加者は子持ちで平均年収高めの男性が多いと。これまでの低所得な独身男性が寂しくてやってる的なイメージを覆した、と。

 

このニュースの時から私は「炎上に参加した、というフラグは何で立てたんだろう?」と疑問でした。炎上参加者はこの属性です、と出すにはもちろん「これが炎上参加者です」というフラグが必要なわけで、もしそこが個人の判断に拠っているならこの結果は結構曖昧なんじゃないかな、と。人によって「炎上に参加」の判断基準が違いますからね。例えば調査前に「こういうポイントでYESと答えた人を炎上参加者とする」と決めていてその条件に限った分析をしてるならある程度信頼できるけど。あくまでその条件の範囲内で。

 

ってことで読み進めたらやっぱり個人の判断のようでした。しかも2りの共著なので章によって論点が結構飛んでて。トータルとして「うん、ネット炎上理解した!」とは言いにくい本でした。いろいろ疑問だったので出版社にそのへんまとめてお手紙だしてみました。炎上を定数的に把握したのは本当にいいと思ったから、その辺りも踏まえて研究が続くといいな。

 

で、次にこの本でたびたび引用された本を読んでみました。

 

  突然、僕は殺人犯にされた

 

スマイリーキクチさんという芸人さんがネット上で殺人犯扱いされて10年も誹謗中傷を受けた話。ニュースで知ってはいましたが詳細を知って驚きました。こんなに酷く、こんなに迷惑を被っていたなんて。また警察や検察、マスコミの各対応もショックでした。こんな社会だったのかと。

 

スマイリーキクチさんは中傷主に対して「僕が殺人犯だと信じている人たち」と表現されていました。スマイリーキクチさんは直接誹謗中傷を受けて来てそのうえでそうおっしゃるのだからホントにそんな人たちだったのでしょうが、正直私は「えっ・・本気で信じてた人なんていたんだ。。」と思いました。だって、常識的に考えて、そんな酷い事件の犯人が表舞台にでるのも難しいし、それを事務所やテレビ局が支持するわけもないし。なにより明確に彼が犯人だというソースがないのだから判断のしようがないのに、本気で信じるってどういうこと?と。それよりも自分の中の憂さを晴らすために彼を利用した結果が被害を生んでしまったのでは・・・と。

 

ネット炎上は本当に「これこそが悪だ」と信じた人による正義感の行為なのでしょうか。それとも日ごろのうっぷんやストレスを晴らすために無意識に正義感が発動してしまうのでしょうか。

 

うーん、分からないなぁと思いながら、その次に何となく手に取ったのがこれ。

 

男が働かない、いいじゃないか!

 

これはネット炎上と全然関係ない脈略で読みました。なんか雑誌で見てチェックしたんだったかな。でも普段からミソジニーに興味があって(この本に影響された→女ぎらい――ニッポンのミソジニー)そこから派生してあれこれ考えてるうちにたどり着きました。

 

この本は辛かった・・・「正社員じゃなきゃいけませんか」とか「どうしたらモテますか」などの男子学生からの質問に答えるというていなのですが、この質問がいわゆる固定概念ガチガチのもので。私そういう「世の中ってそういうもんだよね」的な発想がほんっとに苦手で。。ページをめくってもめくっても固定概念が出てくるからしんどかった。。でも先生の文体は軽妙で時にご自身の失敗談も交えられていたので何とか読み終えました。

 

私はそんなタイプなので世の中の固定概念とは距離を置いてるし、どうしようもなく対峙したら避けちゃうのですが。もしこの本にあるようなガチガチな枠から逃げられない人がいるとしたら。っていうか友達にもそういう人は多い。そしてそれは男女問わずなんだけど、この本にあるように男性の方がそうしたストレスに強く影響されてるとしたら。

 

そこからネット炎上に参加してしまう、というルートはあるかもしれないなと思いました。正義感からね。

 

これは私の体験談ですけど。昔いたチームの上司たちは部下を責めるのが大好きでした。何やっても部下を責める。なんだろう?と考えてみたら、どうやら責めるのが快感らしいんですね。俺は正しい!というスタンスを保てるし。そして彼らもその上司に責められてるんです。なんだこれ、俺のプライド保持合戦か。その中で女はサンドバックになるしかないのか。そう思ったらバカバカしくなって逃げることにしました。つまんないオッサンの引き立て役になるために生きてるんじゃないんで。

 

これはスマイリーキクチさんの本に出て来た「ネット中傷依存症」という言葉をみて思い出しました。あぁそうかもしれない。麻薬依存などと同じように、ネットで(現実でも)中傷していないと自我を保てない人というのがいるのかもしれない。そしてそれは固定概念の中に嵌められている男性の方が傾向として強いのかもしれない。あの上司たちもそれだったのかもしれない。

 

そう思うとネット炎上の闇はかなり深遠です。働き方改革とかジェンダー教育とかその辺まで関わってきてしまいます。怖い。どうしたら。

 

この3冊を立て続けに読んで新しい視点にたどり着きました。日本社会の闇にまたひとつ首を突っ込んでしまった気がするので、とりあえず私は逃げ続けます。逃げながら考える。NO MORE 固定概念。