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【映画】彼は秘密の女友達 ネタバレ 感想

こんにちは、やのひろです。

映画「彼は秘密の女ともだち」を観てきました。

 

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それではネタバレを含む感想いきます!

 

簡単なあらすじ

子供のころからの親友ローラを病で亡くしたクレール。

彼女はローラのお葬式で、ローラのご主人であるダヴィットと

生まれたばかりのローラの娘を守ることを誓う。

 

親友の死から立ち直れない彼女は

夫のジルに勧められてダビットの様子を見に行く。

するとそこに知らない女性が。

「失礼、マダム」と声をかけたら

なんとそれは女装したダヴィットだった。

 

仕方なく話を聞くと結婚前から女装癖があって

それはローラも知っていたとのこと。

今は娘が母親を恋しがるからやってるだけで

落ち着いたらやめると。

 

何とか帰ってくるものの落ち着かないクレール。

ジルには女友達のヴィルジニアと会っていたと誤魔化す。

 

最初の話とは裏腹に女装を止めないダヴィット。

彼はヴィルジニアとしてクレールと会い

クレールもまたヴィルジニアとの関係を楽しみ始める。

果たして二人はどうなるのか・・・

 

女装と同性愛と人間愛と

まず最初に驚いたのは

クレールがダヴィットの女装を激しく非難することです。

 

女装ってそんなにダメかな!?

私だったら、まぁビックリはするけど

「あ、そうなんだー、へぇ・・・お茶入れる?」

くらいで受け流せる気がします。

コスプレとか盛んな国に暮らしてるからなのかな。。(^^;

 

明確には説明されてませんでしたが

亡くなったローラは敬虔なクリスチャンだったようです。

クロスのペンダントをしていたしベッドの上にも十字架があったし。

 

洋物を見る時たびたびネックになることですが

残念ながら日本人の私にはキリスト教の感覚がよくわかりません。

ただ知識として知る限りでは、

キリスト教の根本に近づくほど同性愛などは難しいのですよね。

 

そういう意味では、女装癖がある→もしや同性愛?というのが

禁断の図式として頭をよぎるのかもしれません。

 

そう考えるとローラが女装を知ってたというのも怪しいと思う。

ダヴィットは本当にローラに打ち明けてたのかな?

ローラは冒頭に死んでしまうのでこれはもう誰にも分かりませんけど。

でも嘘をついてるようにも見えなかったんだよな~・・・うーん。。

 

ちなみにダヴィットはがっちりした体つきの立派な男性なので

女装はお世辞にも綺麗とは言い難いものでした。ひげも目立つし。

それでもだんだん見慣れてくると可愛く感じるから不思議。

こざっぱりした格好のクレールに比べたら

うきうき着飾るヴィルジニアの方が女性らしいくらいでした。

 

 

好きなのは同性か、異性か

果たしてダヴィットは同性愛者なのか。

途中クレールがこれを聞くシーンがありました。

 

女装してるダヴィット、つまりヴィルジニアはこう答えます。

「好きなのは女性だよ。今まで男性を好きになったことはない。

 でも試してみようかな。ふふふ」

これをクレールは微妙な表情で聞いていました。

 

ここから先、物語は複雑な展開を見せます。

 

女友達のクレールとヴィルジニア

そろそろ子どもが欲しいと思うクレールとジル夫妻。

女友達だけど本当は異性のクレールとダヴィット。

 

クレールは男と女、友達と親友の夫と自分の夫の間で

ぐらんぐらんに揺れます。

 

特にダヴィット&ヴィルジニアへの気持ちが複雑になっちゃう。

 

友達として楽しい。ローラと一緒にいたときのよう。

ヴィルジニアも信頼してくれている。

でも彼女は亡くなった親友の夫。

彼or彼女を想うことは友情なのか愛情なのか・・・。

 

混乱するクレールをダヴィット&ヴィルジニアも気づきます。

そして自分自身もクレールをどう思ってるのか曖昧になってきて

ついにクレールをホテルに呼び出してしまうのです。ヴィルジニアとして。

 

このラブシーンはインパクトありました。

肉体的には明らかに男と女ですが

つけてる下着は両方女性モノ。

 

つまりこれは男女の行為のようで、パッと見女性同士なのです。

でもダヴィットが同性愛者だとしたら相手は男性であるはずで

見た目は女性同士だけど実際は男女なわけだから

この組み合わせは良いような、ダメなような・・・んん???

 

要するに、好きになったら性別は関係ない、という

強烈なメッセージだと受け取りました。

男だとか女だとか考えるな!と。

この人が好きだと思ったらそれは人間愛だ。

同性だからダメ、異性だから良い、そういうもんじゃないでしょ、と。

 

それをベッドシーンで伝えるところがフランスっぽいですね。

アムール!ジュテーム!

艶めかしいのだけど決して厭らしくない、綺麗なシーンでした。

 

クレールの心変わりによって行為は最後まで及びません。

何がどうなってエンディングに向かうのかは

ぜひDVDでご覧になってください(^^)

 

解釈が色々できそうなエンディング

紆余曲折あって、7年後が映画のエンディングです。

大きくなったローラの娘を学校まで迎えにきたのは

クレールと、ヴィルジニア

彼は女装を続けしかも娘にもそれをオープンにしているのですね。

 

クレールのお腹はよくみると膨らんでいて

どうやら妊娠していることが分かります。

最後は3人で手をつないで帰る、というカットです。

 

さてこのクレールのお腹の子供、父親は誰なのか!

ダヴィット?それともジル???

 

ここは判断の分かれるところだと思います。

監督もわざと曖昧に描いたんじゃないかな。

 

私はジルの子供だと思います。

クレールはあのまま結婚生活を続けていて

約束通りローラの夫と子供を見守って暮らしている。

 

彼女は結婚による愛情も

結婚を介しない愛情も受け入れたんじゃないかな。

もちろん性別を超えた愛情も。

 

夫と家庭を作り上げていく、そちらも上手くやりながら

かつての親友と今の親友の家庭も見守っていくことができている。

 

ダヴィットと再婚して彼を男としても女としても受け入れた、

とも見えるのですけど

ジルと続いてると考えた方がより広い愛情を理解したように思えて

いいんじゃないかなと私は思います。

 

きっと彼女はこれから自分の子供を愛するということも知って

ますます魅力的な女性になっていくのでしょう。

 

またラストシーンのヴィルジニア

それまでと違ってパンツスタイルで登場します。

 

それまでずっとスカートなんです。

ファッションブランドのポスターに出てくるような姿。

一度なんかピンクのぴったりしたドレスで現れて

足を出したいの!と懇願する場面もありました。

 

それに比べて7年後のヴィルジニアはパンツスタイル。

最初に憧れていた如何にも女性らしいスカート姿ではありません。

 

思えば最初のファッションは男性が憧れる女性の姿で

最後の姿は本当に女性として生きている

ヴィルジニアだったんだなぁと思います。

 

クレールとヴィルジニアとローラの娘ちゃん、

それにジルが、幸せに暮らしてると良いなと思うエンディングでした。

 

 

それではまた!