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やのひろです

気になるあれこれ

映画「グランドブタペストホテル」 感想

こんにちは、やのひろです。

今日は映画「グランドブタペストホテル」の感想です。

 

2014年度アカデミー賞4部門受賞(美術、メイクアップ、作曲、衣装)

ダージリン急行」「ムーンライトキングダム」のウェス・アンダーソン監督です。

 

まずは、とにかく1つ1つの画面が可愛い!

 

14011702_The_Grand_Budapest_Hotel_01s.jpg

※この夢のようなホテルの色使い

 

2014_ 5_12_18_54

※絶体絶命!と思ってからのこのシーン

 

形も色も、またカメラワークも

本当に計算されていたんだろうなぁと思います。

 

 

ぐいぐい引き込まれる話なのですが、見終わるとどうも引っかかる。

展開は早いし終盤はセリフだけですぎるので

何かが分かり切ってないような・・・と思っていろいろ調べました。

映画評論家の町山智浩さんという方が詳しく語っておられるようで

こちらのブログに詳しいのでリンクを貼らせていただきました。

 

町山智浩が語る『グランド・ブダペスト・ホテル』の元ネタとテーマ

 

 

それを踏まえての分かりやすいレビュー A La Carte さん

 

 

なるほど、とにかくシュテファン・ツヴァイクという作家がポイントです。

 

 

残念ながら世界史に疎いのでいろいろ想像で補うしかないのですが

 

・グスタヴとゼロは年齢、人種、立場を超えた関係を築いていく

コンシェルジュネットワークも人種を超えた存在のようだった

・最後に助けてくれるのは謎の宗教団体

 

このようなところから、

当時の理想郷とされたオーストリア=ハンガリー帝国もきっと

人種や宗教を超えた存在だったのではないなかなぁ、と思いました。

あのお菓子のホテルのように見てる人が愛おしさを感じるような。

 

終盤に舞台が1960年代(老いたゼロの時代)に帰ってくると

ホテルがあまりにも寂しいので、本当に同じホテル?と疑いたくなりました。

 

それほどかつてのユートピアは失われてしまったんだということですね。

そしてあのホテルが世界情勢を表してると考えると・・・悲しいエンディングです。

 

 

ホテルが軍の寄宿舎となってしまったところで

殺し屋がゼロたちを撃ち、ゼロ達は隠れ、銃声に気付いた軍が殺し屋を撃ち、

誰が誰を狙ってるのか、なぜ銃撃戦になってるのか、分からなくなりました。

 

マヌケな場面なのでわらちゃうんですけど

あの意味のない銃撃戦で傷んでいくピンクのホテルが可哀想で。

監督が描きたかった争いの醜さがあのシーンに詰まってたのかなと思います。

 

理想郷を信じて活動し、未来に絶望して亡くなったシュテファン・ツヴァイク

彼はグスタヴにも作家にも重なって見えました。どちらもこの作品の主人公。

 

ウェンダーソン監督が描く映画の主人公である作家がいて、

その作家が描いた本の主人公としてグスタヴがいる。

ゼロはその両方をつなぐ語り部です。

 

可愛い物語で何重にもくるまれた中心に人生の苦さが隠れてるような映画でした。

でもそのちょっとの苦味もひっくるめて、人生は美味しく味わうものなんだよ。

監督はそんなメッセージを込めたような気がします。

 

こういう人種や大陸の問題をはらんだ物語は

頭では理解できても身近な問題としてあまり無いので理解しきれず歯がゆいです。

アメリカやヨーロッパに暮らしていたらもっと分かるのかも、、

 

 

画面が可愛い、とはもうほんとにどこでも言われてますが

同じくらい可愛くて映画に華を添えてるのが音楽!

これもいろいろ調べたら素晴らしいコラムを見つけたのでご紹介します。

 

音楽もユニークな『グランド・ブダペスト・ホテル』

 

こっちも深い!!!

エンドロールで出てきた三角のマンドリンのようなものはバラライカというそうです。

懐かしさと架空の国の民謡らしさを出すために色んな音楽をミックスしたのですね。

 

実際の編成は分かりませんが、

聞いた感じだと1曲に使われてる楽器が少なそうでした。

2、3人で演奏していそうな小規模な音楽。

大詰めの緊迫したシーンでもティンパニとパイプオルガン?しか鳴ってません。

 

まるで街の楽団がすぐそこで演奏してるような雰囲気。

アンダーソン監督の可愛い絵面にばっちり合ってましたし

大人が二人テーブルでとても個人的な話をしているという状況にもぴったりでした。

 

そんなこじんまりした要素で実は世界規模のことを語っているのが

この映画の魅力なのではないかと思います。

 

それではまた!